あなただけ見つめてる

コンカフェ狂いのOLの日記

推しを増やすためにメイド喫茶に行ってきた

推しが男性の場合、女性の推しも作ると精神的に安定する、とだれかが言っていた。メイドやアイドルなどなど、最推しに翻弄され疲れた心を癒してくれるのだという。
そもそもわたしの最推しは正確に言えば男性ではないし(男性としか思っていないけれど)、そこまで精神を翻弄してくるわけではないけれど、女の子を推したい気持ちは前々からあった。
専門の頃はももクロにハマっていた(あーりん推し。とにかく黒髪ロングの女の子が好き)。そこから色々なアイドルをチェックしたけれど、なかなか沼を感じる子には巡り合えなかった。2014年に鞘師里保に出会えていたらハマっていただろうな、と思う。いまはBEYOOOOONDSのことが気になっている。


ここから本題。
近い存在の女の子の推しも作りたいと思い、前々から行きたいと思っていたメイド喫茶に行くことを決意した。
秋葉原には、様々なメイド喫茶のビラ配りの子たちがいる通りがある(通称メイド通り)。数年前のメイドのビラ配りは男性にしか配っていないような印象があったけれど、ここ最近は女性にも可愛らしい笑みを向けてくれる。
事前に行きたいメイド喫茶も調べた。店のコンセプトによって、店内の装いやメイドさんたちの制服も異なる。だいたい、スタンダードな雰囲気、クラシカルな雰囲気、電脳系の雰囲気に分けられる。
宣材写真などを見て一目惚れした子に会いに行こうとも思ったけれど、かわいいと思った子に限って最推しと相互フォロー状態だったので、なんか微妙な気持ちになってやめた。やはり最推しに出会ったときと同じように、実際に会ってみて運命を感じた子に会いに行くべきだと思い、メイド通りへと向かった。

土曜日の夕方だからか、メイド通りはかなり賑わっていた。一人一人顔を見る余裕なんてなかった。
とりあえず良い感じの子からチラシをもらって後で決めよう……と思い、一人からチラシを受け取った途端、「こいつはチラシをもらうタイプだ」と確信したのか、一歩歩くごとにチラシ攻撃を受けた。鞄が小さかったのですべてのチラシを貰うわけにもいかず、何人かスルーしてしまってとても心苦しかった。

精神的疲労を感じたので、いったん横道に逸れ、貰った数枚のチラシを開いた。
チラシをいただいた中でかなりプロ意識の高そうなメイドさんがいたので、そこに行ってみようかと考えていると、一人のメイドさんが控えめに声をかけてきてくれた。
聞けば最近入ったばかりの新人さんだと言う。わたしは推しを作るなら、プロ意識のめちゃくちゃ高い人か(最推しはこれに該当する)、新人さんにしたいという欲望があった。新人さんのお店は完全ノーマークのところだった。
「チラシをいくつか見ていらしたので、迷っているのかなと思い……もしよろしければ当店はいかがですか?」的なことをかなり遠回しに言われたので、このメイドさんを喜ばせたい一心で「行きます」と即答したらめちゃくちゃ喜んでくれた。かわいい。


メイドさんに連れられて店内に入ると、「お帰りなさいませ、お嬢様!」のお出迎え。これに憧れていたので、生で聞けたときは感激だった。
店内は上品で可愛らしい印象。カウンターには常連らしきおじさん達が座っていた。
メイド喫茶といえば、店内は広くメイドさんたちが駆け回り、話せるタイミングはフードやチェキを注文したときだけというイメージがあったけれど、ここのお店はカウンター越しにメイドさんがいるため、どちらかというとバーに近いような印象を受けた。
テーブルに座ったわたしのもとへもメイドさんが来てくれて、色々なお話をした。「お嬢様のご帰宅はあまりないので嬉しいです!」と言われニヤニヤした。
新人の子を喜ばせたい一心で、その子とチェキも撮った。
とても楽しい時間だった。それなのに、わたしの頭の中にあるのはひたすら推しのことで、いちいち「推しよりもチェキの落書きがかわいい……」「推しよりもリアクションがでかい……」と比べてしまうのだった。


推しにそのことを話したけれど、メイド喫茶の話題になるとなんだか不機嫌そうになる推しがかわいかった。
たまにはメイド喫茶も行きたいなと思うけれど、推しは探して見つけるものではなく、ある日突然出会うものなんだな……としみじみ思った。